名づけと命名の漢字「子」が持つ意味…歴史的にもポピュラーな名づけ字!

►2006/12/02 18:44 

【子】
音読み:シ・ジ・ス・ミ・
訓読み:こ・ね・おのこ

《人名例》しげ・しげる・たか・ただ・ちか・つぐ・とし・み・やす

《分類》象形文字


【字義】頭が大きく手足の柔らかな、乳児をかたどった文字で、子供を表しています。

か弱くて小さなものをイメージして作られた象形文字です。か弱くて小さなものですが、その未来には成長と発展が託されているのです。十二支の最初に位置する「子=ね」にも使われていて、ものごとの初めを意味する字でもあります。十二支は十二種類の動物に例えられていますが、本来は生命のサイクルを表したもので、その一番目に当たる「子」は、生命の誕生と大いなる未来とを意味しているのです。

「子」という漢字は、女の子の名前をイメージさせますが、古くは男性を指して使われる文字でもありました。男の子を意味したり、学問と徳の修得を志す人に対する尊称でもあったのです。「孔子」や「老子」、「荘子」などがその代表ですね。ものごとを修得し成長するための、精神力や体力というエネルギーが旺盛で尽きることのない力強さを、生命の起点である「子」という字で表現しているのです。

ところが、時代の移り変わりとともに、「子」という字は女性の名前に使われるようになりました。これは日本だけでなく、漢字文化の国に共通するものです。子供を産み、生命をつなぐ役割を果たす能力を持つのが女性であるというところから、生命の起点を意味する「子」という文字が使われるようになったものと考えられます。女性を、か弱い存在として表現するために使われたとも考えられますが、現実とはかけ離れているようにも思えます。日本で、「子」という字が女性の名前に多く使われるようになった頃から、日本男児の弱さが顕著になったようにも思えるのです。名前に使われる「子」という字だけで、文化論の本が一冊書けそうです。

誤解のないように申し上げると、「子」という字が名前に使われている女性すべてが強いということではなく、名前の付け方によって決定付けられるのです。「子」という字には、若々しさと気品が備わってもいますので、わたくし自身が名づけ・命名を考える時に、積極的に使いたい字の一つです。

先ほど書いた「名前の付け方によって決定付けられる」というのは、画数だけを意味しているのではありません。名づけ・命名には、画数以外に多くのファクターがあり、これが運命に大きな影響を与えるのです。画数が良くない…姓名判断では悪くても、一生を通じて幸せな人は沢山いらっしゃいます。こういう人は、画数以外の部分で幸福になる名前を授かっているのです。

「子」という字の名乗り方ですが、《人名例》の欄にはさまざまな呼び方があります。しかし、基本的には漢和・漢字の辞典に記載されている音読みと訓読みの中から選ぶほうが無難です。考えすぎると、“奇をてらった”だけの名前になりかねません。高浜虚子や正岡子規は、多くの日本人の心に記憶されている名前ですが、“奇をてらった”だけの名前ではない「シ」という名乗り方が使われています。

「子」という字は、歴史的に見ても女の子だけに使う《名づけ字》ではありません。男の子の名前に使っても、良い作用があります。ただ、女の子と間違われすぎる名前にならないように、慎重に選んでください。

「子」という字は、カテゴリー《人間》に収録しています。《生き物》のカテゴリーにも「子」という字が合わないわけではないのですが、人間以外のものには「仔」や「小」を充てるのが一般的です。幼さや若さと“か弱さ”を意味する裏側には、大きな可能性と実りのある未来と、未来を志向するエネルギーがあります。「子」という字には、人として成長する生命体という意味があるのです。ですから、どのように成長するのかという理想・・・あるべき姿に当てはまる字が、「子」という字と組み合わせるのに適しています。

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